私たちの身の回りを見渡すと・・・ ほとんどのもののかたちが、基本的に水平や垂直によって成り立っているのに気づきます。 道具や機械がそうですし、居住空間もそのようにかたちづくられています。 『水平』『垂直』というのは面と面が直角に交わるという意味を含んでいます。 これは、もののかたちの構造上の原理といって良いものですし、その合理性に価値があるのです。 |
私たちの先人たちは、多くのことを自然から学んだといわれています。 大地から天に向かって伸びる樹木や、穏やかで静かな水面、広大に展がる平野と空を見、 直立する岩壁の厳しさなどから、驚きや安らぎの中で、その秩序を学んだにちがいありません。 クモが自分自身の重さで垂らす糸の張り詰めた様子、はるかに一直線に描かれた水平線などから、絶対性のあるバランス感覚を学んだのではないでしょうか。 建造物を写真に撮るとき、画面の中央に建物の縦の線、窓や柱の線がくるようにすると安定の良い画像が得られるといいます。 そうでないと建物が不安定に映るということです。建物はそれ自体、水平や垂直で安定を支えているわけですから、垂直線が大事に扱われるのは当然のことといえるでしょう。 |
全体的な形状はさまざまであっても、建物のもととなる構造は水平と垂直です。このことから、建物はいくつもの水平や垂直に区切られることになり、内に外に数多くの正方形や長方形を表出させることになります。 そうした形の中で、壁面に在りながら壁とは違ったはたらきを持つ箇所があります。 そのひとつに窓があります。 |
>>カーテンを空間的にとらえる |